地紋
地紋には様々な種類のものがあるので、買取価格の相場や格式を鑑定する場合は信頼のおける専門店で見てもらった方がよいでしょう。
また色無地の着物は汚れやほつれが目立ちやすく、査定額が下がってしまうことが多いもの。
買い取りを検討している方は、買取店へ売りに出す前に状態のチェックをしてみることをおすすめします。
染めや色糸ではなく単色織りで作られる色無地地紋は、それだけで高い品格を感じさせる美しい織物です。
通常、色無地と言うとおしゃれ着としての意味合いが強い着物になりますが、ここに地紋が入ると途端に格式が上がります。
ただし地紋は柄の種類や一つ紋の数によって【慶事用・弔事用・慶弔両用・略式用】と用途・格式が変わってきますので、着用の際には注意が必要です。
地紋の種類
慶弔に適した地紋
雲(くも)
相場価格 | 1,000~9999円、 10,000~49,999円 | |
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希少価値 | ★★☆☆☆ | |
素 材 | 絹 |
「雲」とはその名の通り空に浮かぶ雲を表現した伝統模様のことで、「雲模様」「雲文様」「雲柄」「雲紋」など様々な呼び名が存在します。
色無地の買取価格は保存状態のほか糸と織りの質の高さ・染めの風合い・ブランド価値の有無などで決められます。
「雲」は格調高い文様かつ落ち着きのある柄なので、慶弔両方に使うことができます。
仏用語に「紫の雲路」と言う言葉があることから、お通夜や告別式の場などでもよく目にする色無地の地紋です。
流水柄(りゅうすいがら)
相場価格 | 1,000~9999円、 10,000~49,999円 | |
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希少価値 | ★★☆☆☆ | |
素 材 | 絹 |
小川を表した伝統模様のことを「流水柄(または流水模様)」と呼びます。
地紋入りの色無地着物は汚れや引っ掛け傷が目立ちやすいので、取扱いに注意しましょう。
着物は保存状態によって買取価格が大きく変わります。
慶弔両方に使える文様ではありますが、組み合わせる他の模様や色によって使用できる季節・シーンが変わってきますので、注意が必要です。
流水と菊がセットになると「菊水文様」・紅葉とセットの「竜田川文様」・独特の曲線が特徴の「光琳模様」・夏草や秋草などと組み合わせたものなど様々なバリエーションがある点も流水柄の特徴です。
有職文様(ゆうそくもんよう)
相場価格 | 1,000~9999円、 10,000~49,999円 | |
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希少価値 | ★★☆☆☆ | |
素 材 | 絹 |
有職文様(ゆうそくもんよう)とは「ゆうしきもんよう」とも呼ばれる日本古来より伝わる伝統柄の一種です。
人間国宝が手掛けたものや無形文化財のものも多くあるので、古着物の買取市場では驚くような買い取り値がつくこともあります。
平安時代の有識者(学者など)が着ていた服の模様に使われていたことからこの名が使われており、中国から伝来したこれらの模様には菱文や唐草文・七宝文など様々な種類があります。
なお慶弔両用の柄が多くあるこちらの文様ですが、種類によっては弔事に使えないものもありますのでその点には注意が必要です。
お祝いに適した地紋
吉祥文様(きっしょうもんよう)
相場価格 | 1~999円、 1,000~9999円、 10,000~49,999円 | |
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希少価値 | ★☆☆☆☆ | |
素 材 | 絹、 化繊 |
吉祥文様(きっしょうもんよう)とはおめでたい模様・縁起が良い模様の総称です。
晴れの場で活躍する地紋と言うことで織りや素材の質が高いものが多く、古着物としても高価買取されることが多いようです。
鶴・亀甲・松竹梅等の中国から伝来したものや御所車・御簾・橘等の日本で生まれたものなどその種類は実に様々。
結婚式やその他祝い事の慶事に着用する晴れ着に使われる文様の定番で、長寿や多産・夫婦円満・富を願ったものと言った縁起物のモチーフが揃います。
名物裂文様(めいぶつぎれもんよう)
相場価格 | 1,000~9999円、 10,000~49,999円 | |
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希少価値 | ★★☆☆☆ | |
素 材 | 絹 |
名物裂(めいぶつぎれ)とは鎌倉時代~江戸時代に描けて中国から持ち込まれた絹織物の総称です。
伝来当初は袈裟や武将が着用する着物に使われ、その後茶道具に用いられるようになり一気に文化が花開きました。
希少価値の高いものは高価買取されることも珍しくありません。
「金襴」や「錦」・「緞子」など様々な模様があり、美しく華やかな様はお祝い事の場にぴったりです。
この名物裂文様は慶事用の帯にたびたび使われる柄なのですが、金銀糸や最高級絹糸などが使われているものも多く高名な織物職人が手掛けたものもあります。
凶事に適した地紋
梵字文様(ぼんじもんよう)
相場価格 | 1,000~9999円、 10,000~49,999円 | |
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希少価値 | ★☆☆☆☆ | |
素 材 | 絹 |
梵字とは古代インドより伝わるシッダマートリカー文字を元とした字のことを指します。
着物自体に使われることはほとんどありませんが、弔事用の帯に使われることはたびたびある地紋です。
様々な着物・着物帯が出回る古着物の買取専門店でも滅多に目にすることがない珍しい着物で、仏教と共に奈良時代の日本に伝来し、その後仏法の真言として徐々に広まっていきました。
喪服にしか使用できない柄かつ梵字を使用した帯自体が珍しいため希少価値は高めです。
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綸子(りんず)...
生糸(撚っていない糸)で織り上げた絹織物のことを綸子と言います。
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紋意匠(もんいしょう)...
経糸に駒撚糸、地緯(ベースとなる緯糸)に強撚糸、絵緯(模様部分の緯糸)